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283 :名無しさん@おーぷん
秋のよく晴れた日になると思い出す。

3歳の秋の日、母が朝からおにぎりを作ってくれて、「お出かけしよう」と言って電車に乗って遠くに行った。
行き先は山も海も見える田舎町だった。
真っ白い堤防のようなところで、母がベンチに座らせて、「ちょっとお母さん飲み物買ってくるから待っててね」と言った。
ベンチにお弁当と水筒と上着を置いた。

「わかった、ママありがとう。バイバイね」と言ったら、母は顔をそむけて走るように去って行った。
私はぼんやり座ってた。山はまだらに赤くて、空にはトンビが飛んでた。
しばらくして母は戻って来て、無言で一緒に弁当を食べて家に戻った。

成人して家を出て行くという日に、母はあの日の話をして、「あなたを捨てようとしてごめんなさい」と詫びた。
私は当時気付いてなかったふりをしたけど、勿論気付いてた。
それどころか、母があんまりに私の存在を疎んでるのを知ってて、大好きな母が楽になるならそれでいいと思ってた。
寂しいけどこれもしょうがないことなのだな、と。
捨てられた私は次はどこに行くんだろうとボンヤリ考えてた。

去年結婚して、結婚式には両親も出席した。
私を捨てようとした母と、他人にむやみに金貸すのが趣味で散々妻子を苦しめた父。
私も順調なら年末に初めて親になる。
出来れば良い親になりたい。



285 :名無しさん@おーぷん
>>283
3歳でもうそこまでわかっていたなんてよっぽどだったんだろう
ひとさらいにあわなくてよかった
287 :名無しさん@おーぷん
>>283
涙が止まらない。
おばちゃんがもらって
母親のかわりに育てたかったよ…





引用元:http://ikura.open2ch.net/test/read.cgi/ms/1467843196/